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鑑賞の日その1-「バベルの塔」展

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2017年7月18日から大阪にある国立国際美術館にてブリューゲルの「バベルの塔」が展示されています。
www.nmao.go.jp

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私は学生の頃から美術が大嫌いでした。絵を描くことが苦手で繊細さを求められるほど嫌気がさしてしまうくらいで、成績は提出するからもらえるような「2」ばかりだったように記憶しています。
そんな私ですが美術館という空間は好きでして。
図書館・博物館、静かな中で作品に対してぼけーっと物思いに耽ることは好きなんですね。

この「バベルの塔」展は10月15日まで。
ちょうど国立国際美術館から徒歩10分ほどのところでもう一つ見たいイベントがあったので、ここのところ動きが緩慢なわたくし、お尻の根っこを切り離して行ってまいりました。


雨だからちょうどいい

雨降りはキライではありません。シトシト雨ならなお良し。
雨が降る直前の匂いはアンニュイな空気が漂って人の動きを緩くしてくれる気がします。
さすがに雨が強い時は出たくないのですが、シトシト雨の中傘をさして歩くのは好き。あまり人が外に出ていなくて、水たまりのハネを気にしてか人の歩く速度もゆっくりで。
私はそれ以上にゆっくり歩いて人の傘が追い越しざまにトンと当たって雫に濡れても気にもなりません。

「バベルの塔」は町だった

本当に美術が苦手な私。当然作品の歴史や作者の作風など知りませんでした。
ただ名前だけは聞いたことがあるブリューゲル・「バベルの塔」。予備知識も少ないまま向かいました。

最初に「バベルの塔」をどこかの広告ポスターで見たとき、この塔は象徴なんだろうと思いました。何の?
わかりません。宗教なのか、国なのか、富豪なのか。
まさか町として建てられそこに人が集っているとは思いもしませんでした。
逆に一般人(というか貧困層)は近づくこともできないものだと感じ取っていた気がします。

昔人々の言葉は一つであった。東方からやってきた人々がシンアルの平野に住みついた。
「天まで届く塔の町を建てて有名になろう。全地に散らされることのないようにしよう」
そこに神が降りてきて言われた。
「彼らは一つの言葉で話しているからこのようなことを企てるのだ。彼らの言葉を混乱させ聞き分けられぬようにしてしまおう」
そして人々は全地に散らされてしまった。

美術どころか聖書もほぼ知らない私。
神は人を救ってくれる存在ではないのかしら?言葉を分からないようにして人を散らしてそして争いが起こって・・・
「バベルの塔」の解説を読んでいると人は試練を与えられて生きていくんだなと感じたりしました。
意思の疎通が十分できて平和でいることは心地いいけれど、分かり合えないからわかろうとする努力も終わりなくしていかなければいけないんだなと。

リアルであり壮大な構図

「バベルの塔」は思っていたよりずっと小さな作品でした。
たくさんの方がそれを見たくて並んでいるからじっくり何分も絵の前に佇むわけにもいかないので、
私は人の肩越しにじっくり目を凝らして見せていただきました。

絵の中にはリアルが詰まっていて、それほど大きくない原画でもそこに描かれた「人」がちゃんとわかります。塗りつぶされた人じゃないんですね!
(う~ん美術を知ってる方にするとかなりアホな表現かとw)
一人一人が何をしているかがはっきりわかります。塔自体が建設途中なので足場が組まれていたり、レンガを運び上げる滑車があったり。
この塔は町ですから人々の暮らしがあり、教会があり。
それがよくわかるのが拡大複製画です。
まぁ現代の力ってすごいなとそっちに感動したんですが、原画が精密に拡大され複製されている絵がありました。
人々の生活と当時の環境をよりじっくりゆっくり見ることができました。


ブリューゲルより前に「バベルの塔」は何度か書かれているそうですが、どれもブリューゲルほど巨大な塔を描いていません。一歩で上層階に行けそうな高さの階層の低い塔に無理やり人が描かれている感じのものでした。
雲を突き抜けるほどの高さ、平野を覆いつくすほどの広さという建造物はそれまでの人の想像にはなかったものなのでしょう。
かつてない壮大な「バベルの塔」であったから人を惹きつけて離さないのでしょうね。


人々の暮らしが描かれているとはいえ、塔の内部も気になるところです。
漫画家の大友克洋さんがバベルの塔の内部構造を書かれた特別展示がありました。

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大友克洋「INSIDE BABEL」

おわりに

本当に美術・芸術のなんたるかをわかっていない私がただただスゴイな~!綺麗だな~!と絵自体の繊細さに感動するのみでしたが、当時の人の暮らしや風習、今と変わりない人の業みたいなものを見て自分の日常を振り返るいいきっかけになりました。
人が集まる美術館ですから閑静な環境ではなかったけど、なんとなく心を豊かにさせる1日でした。

おまけ

ブリューゲルが影響を受けたというヒエロニムス・ボスの作品には妖怪が描かれていることが多く、今回の展示のキャラクターとなっている「タラ夫」。

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「タラ夫」すね毛剃りたいw




ARIGATO☆